日銀への期待 2011 11 6

書名 日銀の大罪 別冊宝島
論者 岩田規久男、高橋洋一、田中秀臣、上念司、安達誠司
出版社 宝島社

 皆さんは、日銀(日本銀行)という組織をよく知っているでしょうか。
たいていの人は、高校生のときに、政治経済の授業で知る程度でしょう。
だから、多くの人は日銀をよく知らないと言ってよいでしょう。
 本屋で日銀を知ろうとすると、
たいていの本は、専門書になってしまいますから、
一般の人には、敷居が高いものとなってしまうでしょう。
 そこで、この本が登場するのです。
この本は、週刊誌的にも読める上に、
専門家も登場しますので、
日銀が、どのような問題を抱えているか、よくわかります。
 この本は、机に座って読むのではなく、
居間のソファーで、あるいは通勤の電車の中で、
気楽に読むことができます。
 さて、この本から専門的な部分を引用しましょう。
これは、高橋洋一氏へのインタービューでしょう。
「日銀が、デフレをきれいにコントロールできる技術なんて、
すごいものですよ。
 コアコアCPIで見ると、0とマイナス1の間に、
10年間で、ほぼ8割がた収めている。
これは、素晴らしいコントロール能力ですよ」
 同じ趣旨の解説も引用します。
「改正日銀法が施行された98年4月から
140か月の消費者物価指数の動きを
1%を境に分類してみる。
 これは、この指数に、
プラス1%程度の誤差が出がちという性格があることから、
1%は目標としてのゼロ成長に等しいと仮定した上での調査だ。
 結果は、1%以下が134回、
1%を超えたのは、わずか7回に過ぎない。
 日銀は、ほぼ95%以上の確率で、
デフレ状態をコントロールしているのである」
(以上、引用)
 日銀は、「デフレ目標」というものを持っているのかもしれません。
インフレ目標という言葉は、よく聞きますが、
「デフレ目標」という言葉は珍しいかもしれません。
 もっと専門的に日銀の実態を知りたいという人には、
「日銀につぶされた日本経済」(山本幸三 ファーストプレス)、
「日本銀行は信用できるか」(岩田 規久男 講談社現代新書)がよいでしょう。
 さて、文章が長くなりますので、日本経済新聞Web版から、
2011年11月1日付の英フィナンシャル・タイムズ紙の記事を引用して、終わりとします。
「日本は円高是正にもっと有効な手段を(社説)」
 円相場は2008年初頭から上昇し続け、
日本の製造業が考えたくもなかった記録的高水準に達した。
 対ドル相場が41%も上昇したとなれば、
日本の大企業は、こぞって生産拠点を国外に移す恐れがある。
 ひいては雇用減少を招き、
世界的な需要低迷と相まって経済への深刻な打撃となりかねない。
(中略)
日銀は大胆な量的緩和策を
 日銀は他の主要国の中銀より、はるかに広範囲の政策手段を長年にわたり実験してきた。
とはいえ、その多彩さは画期的だが、実施規模は、かなり控えめで、
日本のデフレに終止符を打つには至らなかった。
(以上、引用)





























































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